わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 田所は一瞬だけ目を見開いて、けれどすぐにそれを切なげに細める。

 薄暗闇と沈黙と。
 静しか存在しないこの状況下で、息遣いが聞こえるほどの至近距離。

 田所の視線が熱くて、それを受け止めている私の瞳が、ジリジリと焦げ付くような痛みを覚える。



「……いいよ」

 ようやく口を開いたかと思えば、何でもないことのように、とんでもないことを言う。

 たちまち思考回路がグチャグチャに乱されて、頭の中が大混乱に陥った。


 『いいよ』って何が?
 そう聞こうと思ったのに、どういう訳か喉を鳴らすことができなくて。

 為すすべなく、ただ、二つの深い漆黒の瞳を見詰めていた。