田所がちっとも帰って来ない。
出て行った時間がわからないから、何とも言えないけれど。
随分経ったような気もするし、そうでないような気もするし。
とにかく、気になって仕方がない。
もしかしたら、どこぞで眠りこけてしまっているのかも。
田所なら、充分有り得そうだから不安になる。
居ても立ってもいられず、私もそっと部屋を抜け出した。
トイレかな、と思うも、男性トイレを覗く訳にもいかず。
ウロウロとフロント付近を彷徨って、ふと、入口自動ドアの透明ガラスの向こう側に視線をやれば、そこに探し人の後姿を発見。
田所は、入口を出てすぐの段差の左端に腰を落としていた。
かなり深く項垂れているのか、首から先がこちらからは見えなかった。
私も自動ドアを抜け、ゆっくりと背後から近づき、田所のすぐ隣に腰を落とした。



