藁をも掴む思いで照哉くんに視線をやれば、照哉くんも困ったような苦笑を浮かべている。
「ままま、仕方ないだろ?
ほのかちゃんが、どうしても悠斗と二人きりになりたくないってんなら」
そう来たか。
さすがは照哉くん。
こんな風に言われたら、こう答えるしかないじゃない。
「別に、そういう訳じゃないけど」
最大の強敵は平和主義者の照哉くんであった。
私としたことが、何たる不覚。
結局、というかやっぱり、田所と私が同室で。
部屋の隅っこに、二人の荷物を並べて置き、その傍らに私はそのまましゃがみ込んだ。
「まずは温泉入らないとね。
その後、皆でトランプしようよ、私持って来たから。
どこに入れたかなぁ……」
なんとなく――
沈黙になるのが怖くて。
機関銃のようにしゃべり続けながら、鞄の中をまさぐった。



