しばらく続けていたけれど、冬以は不意に動きを止めて、声を上げて喜んでいる私を見て満足そうに微笑んだ。 私の胸から鞄を再び手にすると、 「ほのかが笑ってくれるなら、何時間でもやるよ」 と冗談めかして言う。 「何時間もはさすがに飽きる」 と返せば、「だな」と可笑しそうに笑った。 再び歩き出した冬以が、正面を向いたまま、風が吹けば掻き消されるほどの小さな声でボソリと独り言のように呟いた。 「ほのかの笑顔を奪ったのは俺だから」 私は―― 聞こえなかったふりをした。