「それぐらい俺は」
そこまで言って田所は口をつぐんでしまった。
けれども充分だった。
これ以上望んだら、贅沢だ、罰が当たる。
「うん」
と、目から少しこぼれ出たものを片手で交互に拭いながら、繋いでいる手に力を込めれば、田所もキュッと握り返してくれた。
「私は――
田所がカッコ良くなかったら、好きになってないから」
あなたは、可愛くない私でも好きになってくれたけれど。
「だから、カッコいいって言われても、『そうでしょ?』って喜ぶかな」
――と、しばしの沈黙。
あれ? もしや私、まずいことを言ってしまったのだろうか。
「お前さぁ、山田の前で、顔だけが好きだったらこんなに苦しくなかった、って泣いたんだろ?」
「うげぇ、何でぇ?」
思わず変な声が漏れてしまった。



