いつもは昇降口で待ち合わせるのに。
あんなことがあった直後だから、私が先に帰ってしまうとでも思ったのかな。
私……
信用されていない?
教科書やら文具やらを慌てて詰め込んだ鞄を肩に引っ掛け、すぐに田所の元へと小走りで向かった。
「どうしたの?」
すごく意地悪な質問だと思う。
でも、聞かずにはいられなかった。
田所は「ん」としか答えない。
それ以上、問い詰める気にもなれず、歩き出した田所の背中を見詰めながら、数歩後ろを歩いた。
スニーカーに履き替え昇降口を出ると、田所は無言のまま私の手を拾い上げ、指の間に田所の指を割りいれるようにして繋いだ。
普段はそんなことしないのに。
もしかして……
機嫌をとっている?



