わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 また誰か、この教室に入って来た。
 スライドドアが静かに滑る音が耳に届く。

 けれど、私は顔を上げなかった。
 上げられなかった。

 きっと、ぐしゃぐしゃの、ボロボロの――
 酷く見っとも無い顔をしているから、今の私。


「ほのか」

 フワフワと空間を漂うように、流れて来る声。

 綾子だ。
 照哉くんは、本当にお節介だと思う。


 顔を膝に埋めたまま「ん」とだけ答えれば、

「照くんにメール貰って。
 行ったげてって言われたから」

 遠慮がちに発せられた言葉と共に、綾子の手が私の肩に触れる感触。