わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 ゆっくりと、丁寧に紡がれた照哉くんの言葉は、私の心に深く突き刺さった。
 胸にある冬以の跡が、チクリ、と痛んだ気がした。


 照哉くんは、スッと静かに立ち上がった。
 ゆるゆると、それを追うように見上げれば、照哉くんもまた、泣き出しそうな顔をしている。


 照哉くんにはわからないんだ。
 田所が今、どんなに苦しいか。
 照哉くんなんかに、わかる訳がないんだ。

 私の心の中で、激しい反発が爆発しそうなほどに膨らんで。
 けれど、もう声を出す力も気力も残っていなくて。

 呼吸をすることだけで、精一杯だった。


 照哉くんはそれ以上何も言わず、その場で踵を返してゆっくりと歩き出した。
 微かな振動が、床を伝って私の身体に届く。

 照哉くんが教室を出て、扉が静かに閉まった。