ゆっくりと、丁寧に紡がれた照哉くんの言葉は、私の心に深く突き刺さった。
胸にある冬以の跡が、チクリ、と痛んだ気がした。
照哉くんは、スッと静かに立ち上がった。
ゆるゆると、それを追うように見上げれば、照哉くんもまた、泣き出しそうな顔をしている。
照哉くんにはわからないんだ。
田所が今、どんなに苦しいか。
照哉くんなんかに、わかる訳がないんだ。
私の心の中で、激しい反発が爆発しそうなほどに膨らんで。
けれど、もう声を出す力も気力も残っていなくて。
呼吸をすることだけで、精一杯だった。
照哉くんはそれ以上何も言わず、その場で踵を返してゆっくりと歩き出した。
微かな振動が、床を伝って私の身体に届く。
照哉くんが教室を出て、扉が静かに閉まった。



