わたしとあなたのありのまま ‥2‥



「何だよこれ?」

 苛立ちを隠そうとせず、田所は吐き出した。

 責められて当然だ。
 他の男の印が、私の普段は隠れているはずの場所にあるのだから。


 また視界が霞んだ。
 田所の視線に耐えきれず、瞼を伏せて俯けば、私の許容範囲を超えてしまった苦しみが、嗚咽となって溢れ出た。

「冬以が、屋上にいて……
 飛び降りるって言われて、それで、屋上行ったら……」

 断片的な言葉しか出てこない。

 苦しくて、悲しくて。
 声を出して泣いた。


「そんなもん……
 その気になれば、避けれたろ?」

 田所は――
 残酷な言葉をその口から落とした。


 その瞬間、私の呼吸が止まった。
 弾かれたように顔を上げ、田所を見た。

 至極冷ややかで、感情が全く読み取れない顔がそこにあって。
 私の身体が、芯から冷えていく。