ピーピーピーピー




『んっ』

『もう朝か』

脩汰郎は百合也を起こさないようにとそっと起きた


そして百合也が起きた

外を見ればもう夕方だった

『おはよう』

そこには昨日と変わらない脩汰郎の姿があった。


やっぱり夢じゃなかったんだ。

『いけない!私帰らなきゃ』

『えっ』

『もう遅いし、こんな時間までお邪魔したら失礼じゃない』


百合也はそそくさに玄関に飛び出した。


『行くなよ』

脩汰郎は百合也の手を握り引っぱった





『俺、寂しんだよ。』





脩汰郎が本当に本当の気持ちをぶっちゃけた。


『俺、とーちゃんやかーちゃん可愛がってくれるからそれだけで感謝しないといけねーなって思うけど、本当は俺ずっと友達に憧れてて、この村で子供は俺ぐらいだから遊ぶ相手も居なかった』


『百合也も行きたくないだろ?』


『ここに居れば会社の話も聞かされない!』


百合也は一言いった。


『私だって、いれるものなら居たいわ…』


『だったら!…』




脩汰郎は必死になった。






バサッ




『百合也…』





『百合也ーーー!!!』





百合也…

ユリヤ

初めて見付けた友達。


『俺こんな事が言いたかったんじゃないのに…』



脩汰郎は百合也が本当に心配だった。





バッ

バッ

バッ



百合也は泣きべそを見せないように脩汰郎の顔を一切見ずにどこまでも走っていった


『脩汰郎ごめん…あたしだって』



百合也はこの状況を受け止めきれず本当は怖かった。

だけど脩汰郎との別れと考えると本当に辛かった。


それでも先の事を考えるときっと不安だらけだと思い百合也の必死に考え抜いた結果だった。









『行くなよ…百合也』