俺の名前は土田 尚一。18歳で角刈り頭が似合うナイスガイだ。

高校を卒業したばかりの俺は、一週間引きこもっていた。
四月から始まる板前の仕事で頭がいっぱいで何もする気がおきなかったのだ。
卒業して八日目の朝、引きこもっているせいか朝起きるのも早い。
朝食を食べに下へ降りる。
扉を開け、椅子に座ると父親はいつものように食パンを片手に新聞を読み、母親は俺と妹の分の目玉焼きを焼いていた。
妹はまだ寝ているようだ。

〜数分後〜

朝食を食べ終え2階へ駆け上がる。

「ちょっと尚ちゃん!ちょっと!」

母親に呼ばれた。

「どした?」

不思議そぉに聞く。

「あんたに手紙がきてるよ!」

母ちゃんから手紙を受け取ると一目散に封を開けた。
手紙には達筆でこぉ書かれていた。

『土田 尚一君へ

久しぶり。元気かな?
僕は今、黒葉島と言う地図にも載っていないような小さな島に別荘を建てて暮らしているんだよ。
周りの景色も素晴らしいし是非とも君に来て貰いたいんだよ。
同窓会もかねてこの島に来てみないかい?
卒業旅行としてもいい思い出になると思うよ。

いい頼り待ってる。

並 昇』

俺は差出人の名前を見た瞬間、顔が強張った。
『並 昇』彼とは小学校からの腐れ縁で同じ高校に行くくらいの仲良しだった。
しかし、彼は高二から高三になる春休みに急に姿をくらましたのだった。
今までどうしていたのかと思ったら別荘で生活か。
やはり金持ちは違う。
他の奴にも手紙が届いたのかを確認すべく友人の一人、大岩 武則に電話をしてみた。
彼は大人数の騒ぎ事には目が無く、前に立って仕切れる熱血漢である。
こういう事は聞き逃すハズがない。
通話が繋がり状況を話すと、驚いた声で返ってきた。

「お前もか!?俺んちにも汚ぇ封筒が届いてよ。
中身空けたら昇じゃねぇか!」

「ああ、俺も驚いたぜ。しばらく連絡なかったしね」

どうやら他の奴にも届いていたようだ。

「今手紙が来た奴に連絡して、空いてる奴は家に呼んでんだ!
お前も来いよ」

俺はわかったと電話を切り、大岩の家に向かった。
すると見覚えのある顔が二人いた。