「その市村の事なんですが」
……!!
どうりで気配が薄い訳だ、忍なのだから。
ってやっぱりアタシの事かぃ。
聞いちゃいけないって分かってるけど…そういうの程聞きたくなるのが人間だよね(笑)
なのでもちろん続行します。
「彼は異人なのですか?」
「あぁ、山崎君はいなかったから言ってなかったな。
市村はそういう病気らしい。
生まれつき色素が薄すぎるんだと。」
「なるほど…。
しかし彼は…、彼は何処かの密偵なのでは?」
部屋の中にいないアタシの空気までもが固まった気がした。
それほどまでに今、土方の部屋はピィンと張り詰めているようだ。
やっぱり、疑うのは当たり前だよな〜。
隊士と仲良くなったとはいえ、それは全員ではない。
まだまだアタシを不審に思ったり、変な目で見てくる人もいるのだから。
どうなるのかな。
追い出されたり、とか?
それは困るな、寝床なくなっちゃうし。
山崎さんはまだ続ける。