「市村さーん!」
「ん?」
袴から制服に着替えようかと教室に向かっていた時に、可愛らしいソプラノは響いた。
振り返ってみると弓道部らしき女の子が2人、目をキラキラさせて駆け寄って。
「なぁに?」
「あのっ!
申し訳ないんですけどっ」
「ちょっとご指導お願いできませんかっ?」
…今剣道してきたとこなんだけどな。
そのアタシの心情が分かったのか、
「見て、アドバイスくれるだけでいーんです!」
お願いします!!と、必死に頭を下げる彼女達。
「全然いーよ、アタシでよければ」
っていうかもとよりヤダって言ってないし。



