ワケがありまして、幕末にございます。





朝方まで、アタシはずっと道にうずくまってた。

血まみれで、動かなくなった肉塊達と一緒に。













『あのな、愁』


『平助…』


『俺、俺さぁ…山南さんが居なくなって。
あんな優しい人が居なくなって、すげぇ怖くなった』


『…うん』


『別に恨んでもいねぇし、変わらず皆も大好きだ。
けど…マジで怖くて…』


『うん…。大丈夫だよ、きっと左之も新八っちゃんも平助が大切だから。
逃げても、いーんだよ』


『…ぅっ、、ごめ、…ごめん、なぁ…』


『平助は皆が大事で、俺も皆が大事だから此処に残る。
それでいーだろ?』


『…グスッ、はは、愁らしいな。
……なぁ愁』


『ん?』


『…頼むな、』


『……』


『新選組…つーか、新八っつぁんと左之ンこと。
俺はきっともう一緒にいれないから…守ってやって?…って俺が言うのもおかしいけど』


『…平助』


『…じゃあな』










平助、アタシ、守れたかな。




本音言うと山南さんも平助のことも守りたかった。



新選組が大事だった山南さん。

3馬鹿が大好きだった平助。



もっと本音を言うと沖田さんだって近藤さんだって…皆守りたい。


けれど数日後、1ヶ月後、1年後。



悲しい現実が待ってる



そう思うと心が折れそうだ。