ワケがありまして、幕末にございます。





「いやはや、本当に綺麗だ」




うざいオジサン達から逃げた先には、猪口を口に運びながら目を細める近藤さん。




「息子、というより娘みたいだな」


「なんか複雑なんですけど…」


「ははははっ!
まぁそうだろうが、ここまで綺麗になった奴は今までいなかったからなぁ」


「今まで…?」


「おぉ、新八や平助も1回はこの格好したことあるぞ!」


「本当ですか…見たかった」




確かにあの二人も似合いそうだな…と想像してみる。


童顔の平助は間違いなく似合うだろう。


新八っちゃんは…




「新八は見かけによらずにあわなかったんだ、これが!」


「え。」



何故かを聞くと、女子と背は変わらないから着物は似合うんだが、背の小ささのわりには顔が男らしすぎて、ちぐはぐだったんだとか。




「あれは笑ったな~」


「今思い出しても腹がいてぇっ!」




いつの間にか近くに来て話を聞いてた平助と佐之が猪口を持った手を震わせながら笑っている。


その後ろに黒い影が見えるが…うん、放っておこう。




「佐之ぉ~平助ぇ~?」


「「……(;゜∇゜)」」




彼等は屍になりそうです。