ワケがありまして、幕末にございます。





襖を開け、裾の長い着物をひきずり近藤さんの隣に座る。


明里さんや他のお姉さん達もそれぞれ別れ、徳利を持った。




「愁君、かい」


「お恥ずかしながら、市村愁です。

さ、近藤さん、音頭をお願いします」




つぶらな瞳を丸くしてこっちを見る近藤さんに、宴会の始まりを促す。




「ハハハ、綺麗になるものだなぁ。

じゃあ気をとり直して。
今更だが、今宵も飲み明かそうぞ、無礼講だ!
飲め飲めぇい!」




その瞬間、吠える三馬鹿。


アイツ等は犬か。

あ、違う、壬生狼って言うから狼か。




「別嬪じゃねーの、おしゅうちゃんや~」


「ま、おミヨちゃんにはまけるけどな~」


「お侍さんたち、もう酔いがまわっとるとちゃいます?
はよう帰ったほうが…てかむしろ帰れ」




この酔っぱらいオジサン達がうざい。


激しくうざい。




「おしゅうちゃあんー!
おどってー!」


「よっ、まってましたー!」




…本当にうざいな、コイツ等。