ワケがありまして、幕末にございます。






「おにぃさん綺麗やわ~!」


「ホンマにぃもったいないわぁ、」


「ここで働かへん?」


「皆さん見たらびっくりするんと違う?」




キャイキャイ騒ぐオネーサン。

そりゃ一応女ですから。




「たまに感じる男の色気がたまらんわ~」


「せやねん、そこがえぇわぁ」




…これでも、女ですから。


内心( ;∀;)になりながら土方達のいる広間に向かう。




「堪忍なぁ、おにぃさん。
こないな格好させて」




一番、どこか落ち着いた雰囲気を出すオネーサンが隣に並び話し始めた。



「まぁ、大丈夫ですよ」


「ありがとぅなあ。
…皆はんちょっと元気ないやろ」




あの事があってから。




そう言うオネーサンの声色も少し沈んでいて。




「少しでも笑って欲しくて、こんなことしとんやけど、」




“私は、明けた故郷を見たくなった”




「だめやなぁ…ワタシがまだ上手く笑えへん」




“1度だけ、見たくなったんだ”