ワケがありまして、幕末にございます。







騒がしくなってきた道を歩きながらフと思う。


そういえばアタシ、此処に来て結構経つけど島原初めてだ。


やっぱり皆綺麗なんだろうな…と想像を巡らす。




「どんな女性(ひと)がいるのかな…」


「おっ、お前ハジメテなんか!」


「新八っちゃん、その発音、なんか含みあるんですけど…」


「何々、愁初体験!?」


「平助の言い方も嫌だ…」




いつの間にかアタシの周りには3馬鹿がそろっていて、




「そうかいそうかい…愁君ついに…」




生暖かい声色の近藤さんと




「……」




見えないが攻撃的な目をしているだろう土方もアタシの目の前にいた。




目、閉じてても分かるぐらい強烈な視線。

開けてたらどんな殺傷力…。



なんて、口には出さないけどね。