ワケがありまして、幕末にございます。





それはそうと診察時は丞が付いてるとは。


まぁ松本先生を師匠と呼んでるくらいだから、そんだけ勉強熱心なんだろうけど。




「あーその生真面目さが今回は邪魔くさーい…」


「邪魔言うなっての。

俺から山崎は外すように仕向けてやらぁ、安心してソレやってろよ」


「…コレアンタの仕事なんですけど」




口では言ってないけど土方に感謝した。


なんだかんだバレていて良かったかもしれない。

そうでなければアタシは今頃この診察にパニクっていたかもしれない。

いや、そうであっただろう。




「土方で良かったよ、ホント」




バレたのも、繋がったのも。



吐息のようにそう零した。




「あ?
声ちっせんだよ、もっかい言え」


「やーだよ」




聞いてない土方が悪い、とあっかんべ。




「あぁ?」


「んぁ?」




そして恒例の睨み合いが数秒続いた頃。


足音がしてこの部屋の前で止まる。


影がひとつ。


土方と2人してそれを凝視した。




――障子が開く。




「あっ、あの、次…土方殿ですわよ…」


「……」


「……」





何で着物が肌蹴たまんまなのかな。





その前に断りもなく部屋に入ってくるのもどうかと思うけど。