ワケがありまして、幕末にございます。






「…総司」


「ん?」


「総司、来てなかったか?」


「…来てないけど」


「気の、せいか…」


「音、聞こえたの?」


「あぁ…」




こういう時は、大体悪いことが起こる。

アタシ達の予感は当たるんだ。




「つか沖田さんは今診察中」


「ああ?
あーそういや今日だっけか」


「あーてめぇは部下に仕事押し付けて寝てたからな。
頭もまだ寝てるんだよな。
俺に仕事押し付けて寝やがったからな」


「おい」




分かったから、悪かったよ。



頭を掻きながらその上司は欠伸(あくび)を堪えるように顔を歪ませた。



そしてフ、と無表情に戻って一言。


いきなりの、一言。















「お前診察大丈夫なのかよ?」