ワケがありまして、幕末にございます。





鎖骨からサラシを通って腹まで撫でられる。


サラシの緩められていく感覚を皮膚で感じながら、息が食べられる事を酸素の足りなさで感じる。



…何でこうなったんだっけ?



頭のものすごい端っこにそんな疑問が浮かび上がったけどそれは直ぐに消えていく。



女の象徴に冷たさが触れると治ったハズの左肩がドクンと波打った。


痛さに目を開けば映ったのは




「愁、?」




土方だった。



…だよね、前の。

前の奴…なワケない。


だってアイツは死んだはずなんだから。




「俺を見ろよ」




その声と、いつもの苦く甘い香りに。


息を食べられながら涙を流した。




「思い出したのか」


「……ん」




本当は土方の存在に安心したから、なんだけど。

そう話すのは口がダルかったので言うのはやめた。




「いいか、此処にいるのは俺だから」


「…だろうね」