ワケがありまして、幕末にございます。





「あー…俺はソッチじゃない。
男が好きなんじゃない。
女だ、俺は女が好きなんだ、目を覚ませ」


「アタシ一応女なんだけど」




アタシ見て『男が好きなんじゃない』って、喧嘩売ってんのかな。


そろそろ女の自信マジで無くなってきたよ。




「お前は男だ」




こんな事言われるしな。




「土方だってソッチだろ」


「違ぇよ。

仮にソッチだとしてもてめぇが相手ってのは変わらな…」


「……」


「……」


「…あー、頭痛くなってきた」




目も痛いし幻聴聞こえるし本当に風邪なのかも。




「寝てろ」




アタシの下にあった布団。

アタシの体を支えながら掛け布団を捲り再びアタシを下ろす。




「襲うなよ」


「……」




何で言い返さないのかな!?




「誰が襲うかこの野郎!」



的な返事が聞きたかったんですけど。



あ、アタシはMじゃないよ。
Mじゃない、断じてMじゃない。