ワケがありまして、幕末にございます。





互いに震えているのは温かくなった黒と白の背。




「…クソッ!
てめぇ重いんだよ!!」


「…それ今言う?」




おかしいよね、今言うのはおかしいよね。




「言いたい事は言っとかなきゃ意味ねぇんだよ」


「…ん」




さっきアタシが丞に言った言葉と同じ。


アタシと思う事は、一緒。




「言える時に言わなきゃダメなんだよ…!

…言いてぇ事まだあったのによ。
言えてねぇこと、伝えてねぇ事、沢山あったのによ。
何も聞かねぇでサッサと逝っちまいやがって…!」




彼の言葉は途中から懺悔の様だった。



喉が、痛い。




「沖田さんにも言ったけど。
辛い時は泣くんだ。
泣いて泣いて、次に…行くんだ」










だから、泣けよ。








今だけは、目を開けずにいてやるから。