そして彼は帰って来た。
「済まない、済まない」
そう、笑顔で言いながら。
「…愁君」
「山南さん…」
「私は、明けた故郷を見たくなった。
1度だけ、見たくなったんだ。
それだけだよ」
そしたら、また此処へ…。
悲しく笑った彼は最後にそう呟いて歩いて行った。
奥へ…奥へ。
…山南さんは、土方さん達を、新撰組を大事に思いすぎていた。
これからの新撰組を想うあまり、不信に感じ。
少し違う空気を吸いたかっただけなんだ。
だって、山南さんは戻って来た。
…山南さん、貴方に土方さん達の想いは重かったの?
「…泣かんのか」
「うん…。
俺より土方でしょ」
「お前は強いな…。
まぁ副長はしばらく荒れるんとちゃう?」
「ん…」
土方は、何も言わなかった。
ただ、肩だけではなく体全体が、揺れていた。
怒りと悲しみ…そして容量オーバーの寂しさで。



