ワケがありまして、幕末にございます。





「おーきたさん」


「愁くんじゃないですか〜。
どうしたんです?」


「沖田さんが1人でニヤニヤしてるから心配になっちゃって」


「失礼ですねー、ニヤニヤなんてしてないですよ」


「嘘は良くないですよー…って何見てたんです?」


「コレですよ、コレ」




玩具を見つけた笑顔で差し出されたのは




「“豊玉発句集”?」


「えぇ、面白いですよ〜ふふっ」




豊玉発句集といえばかの有名なとある誰かの句集。




「沖田さん、見てもいいですか?」


「勿論、どうぞ!」




長い間休んだおかげで回復した目を何回か瞬きさせながらソレを読む。




“梅の花 一輪咲いても 梅は梅”




……




「「プッ」」




本当に書いてあるんだ、コレ。


ヤバい笑える。