アタシが気絶した後、土方はアタシと刀を抱え屯所に戻ったそうだ。
血まみれのアタシを見た沖田さんを始め、平助や新八っちゃん、全員が言葉をなくしていたらしい。
訳ありだから治療は俺がやる、と言ったから女とバレるのは免れた…と教えてくれた。
「腹ンとこも痣になってる。
あとやっぱ血ィ流しすぎてるみてぇだから絶対安静な」
「腹…あぁ、膝入れられた時のか……ん?」
「あ?」
「痣、見たの?」
「あぁ、すげぇどす紫の痣だったぜ」
「ってことは…見たの?」
「……」
「……」
「…お前案外デカいのな」
「…死、ね☆」
あーもー最悪。
羞恥っていうより最悪って言葉しか出ない。
「しょうがねーだろ。
別に減るモンじゃあるまいしいいだろが」
「開き直んなこの変態。
ハァ…まぁ確かに減らないからいいけど」
「(いーのかよ)」
こんな会話してても絶えず背中のリズムは一定で。
暖かさと相俟ってまどろんでくる。
「ふぁ…」
「そろそろ寝ろ」
「ん…」
蝋燭の火を土方がフッと消す。
起こしていた上半身は土方が丁寧に寝かせてくれた。
アタシは完全に赤ちゃん扱いか…なんて思いながら眠りについた。