ワケがありまして、幕末にございます。





「いたっ…」




遊びすぎたのか肩がジン、と熱を持ち始めた。


それに気付いた土方が頭から背中に手を移し、ポンポンと緩いリズムをとる。

まるで幼子をあやすみたいに。



アタシは赤ちゃんか、と突っ込もうかと思ったけどそのリズムが心地良かったから力を緩め体重を預けることにした。




「茶菓子無事だった?」


「いきなりだな」


「だって落としちゃったから心配で心配で…」


「アホか自分の心配しろ」


「知るか。
で、無事だった?」




敵に絡まれた結果ゲットしたあの代物。


これで潰れてたりしたらアタシ泣くよ。




「あぁ、片寄ってたけど美味かった」


「え、もう食ったの?」


「おう」


「俺食ってないのに?」


「3日も寝てる方が悪い」


「……」




不可抗力だよ。


もう違う意味で泣きそうだよ。




「そういや着流し捨てちまったぞ。
洗ったけど血ィ落ちなかったから」


「…しょうがないし。
面倒だったよな、ごめん」


「謝んな。

あと総司達もかなり心配してたからな。
朝ンなったら顔見せとけよ」


「…ん」