ワケがありまして、幕末にございます。





「じゃあ、」


「うっせーな、お前はこれからも俺の小姓だ!」




最初土方の小姓と言われて最悪、と思ったのが嘘みたいに今は凄く嬉しい。




「あ、りがとう…!」




嬉しさに瞼が熱くなる。


撫でている土方の手が、大きく暖かいのも更に涙腺を緩ます。




「それにお前女に見えねぇし」


「あ、そうですか。」




パチ、目を開けて真顔でそう喋った。



おい。


さっきの感動どこいった。

涙なんて即引っ込んだわ。




「ククッ。
まぁ隠しててやるからよ。
お前はこれまで通り生活してろ」


「…ん」




なんだかんだやっぱり土方って優しいんだ。



…久々に見た笑顔はコメント出来ないくらい似合ってなかったけど。