ワケがありまして、幕末にございます。





地味に避難させていた茶菓子を救出し、やっと屯所へ…




「…?」




行きたかったけど、誰かの気配に立ち止まった。



―――ヒュッ

キンッ!!



突然の事に焦って茶菓子を落としてしまった。


しかも刀が重く圧し掛かって片手じゃ防げない。




「へぇ〜凄いね。
見えてないのにここまで反応できるんだ」


「どちら様でしょう」


「僕の気配にも気付いたみたいだし。

けどさ…」


「あの、どちら様?」


「君の弱点発見しちゃった」




…話が噛み合わない。




言葉のキャッチボール大切。




「…ッ!」




今までよりも更に重くなった刀。


その強さで壁に押し付けられる。




「君の弱点は…力だ」


「ガハッ、」




鳩尾に膝を入れられた。


刀ばっかに集中していたからそこは完璧な無防備。



クソ、やられた。


しかもそのまま地面に押し倒され…いや押し付けられた。




「これ邪魔ー」


「あっ…!」




アタシの持っていた白梅、そして脇差が奪われる。


それらは男の後ろに投げられた。