ワケがありまして、幕末にございます。





それはそうと押さえられたら絶体絶命…な、の、で。


アタシは逃げます。



右手首捕まれたままなのを利用してくるっと背負い投げ。

どすん。



男の手が離れても痛さが引かない。

本当にひねったか捻挫したかも。



まぁいい、さぁ駆け出そう!

とした時




「こ…の、もう許さねぇ…」




誰かが刀を抜いた音がした。

おそらくウザ男。


それに続いて3回、その音が聞こえ、



ヒュッ――




「っつ…!!」




斬りかかって来た。



頬がチリチリ痛い。

少し切れたか。




「そっちから刀出してきたんだ、覚悟は出来てんだろうな」