ワケがありまして、幕末にございます。






「いってぇなこの野郎」


「ぶつかって来たからにはそれ相応の事してくんねーとな…あぁ゙?」




屯所まで後少し、曲がり角でベタにドンッ。



くそ、もう着くと思って油断した。


これが現代で相手が爽やかな青年だったら恋の始まり…なのだけど。




「なんとか言えや、ボーズ」




こんなオッサン達とそんな展開あるワケない、つか絶対ヤダ!



ぶつかった時のまま、右手首を捕まれた状態のアタシ。




「白髪だけど…ボーズ、だよな?」


「女みてぇに細ぇし。
おい、今日はコイツでどうだ?」


「ソイツ男じゃねーか」


「バカ、男も女も結局は一緒だろが」




…アレ、アタシちょっとヤバげなフラグたったよね。

え、ヤバいよね。


何、この辺男OKな人多くね?




「このボース、一丁前に刀まで持ってやがる」


「ハッ、こんなナリじゃ(ろく)に刀なんて振れりゃしねぇよ!」