ワケがありまして、幕末にございます。











「See you again.

…次会う時は敵同士ですけど…ね、坂本龍馬さん」








空気がザッと音を立てて変わった気がした。


目を見開き瞬間的に刀を抜こうとする彼の腕を押さえ、




「ここで抜いてはダメです。
大丈夫、誰にも言いません。

俺はいずれ終わる方で生きて行きます。
龍馬さんも、自分の思いをなにがなんでも押し通して下さい」




そう耳元で囁く。


皮肉気味になってしまったかもしれない。

けれどそういった意味ではない。

言葉では説明出来ないけど、皮肉的な意味ではない。



最後だ、と少し開いていた目に彼の姿を入れると、酷く困惑した瞳とかち合った。




「Good luck.

貴方という人にこの時代で会えて良かった」




そしてアタシは目を閉じる。


結っていない髪を揺らし混雑した道へと入っていった。



1度も、振り返らずに。