「(…アカン、今のは色んな意味でアカン)」
額に手をあてそんな事を思ってるとは知らずに、やっぱり丞は美形だと思いながら駆ける。
久々に姿を見た。
忍装束ではなく着流しを纏う姿はどこか揺れているようで。
うーん、それでも美形。
ウザいぐらい整っているのは何故だ。
そんなアタシの目の状態は順調に回復中。
前より開けられる様になり、しかもちょっとだけ視力も良くなった気がする。
何コレ何パワー?
幕末パワー?(笑)
「市村ー!!
照れるなよぉぉーー!!」
…コイツはLOVEパワーって感じ?
…おぇ、自分で言ってて気持ち悪い。
とりあえず台所だと思われる所に隠れて、武田が過ぎるまで息を潜める。
「いーちーむーらー!!
待ーてーよー!ウフフフィ!!」
奴はそう言いながらどこかへ。
ウフフフィ?
…鳥肌全開。
ウフフフィって何。
何がどうしてウフフフィって出てきた。
ダメだ、生理的に受けつない。



