ワケがありまして、幕末にございます。





「おっまえ本当細ぇよな〜。
ちゃんと食ってんのかぁ?」


「あ、それ俺も思ったー」




この肩の細さとかマジ女みたい、と続けて平助が言った。



だって女ですから。



一応ね、一応。



まぁそんなこと言いませんけど。

つか言えませんけど。




「ほんじゃまた様子見にくるからよ、じゃあな」




新八のそれを合図に他の2人も部屋を出る。




「もっと胸筋つけろよ!
ガハハハハハ!!」




…お前は一生来んな。




「(副長の部屋で、着流しのまま寝たってことは…)」


「(もしかしてもしかすると、な展開…?)」


「(……)」




去っていった彼等がそんな事を思っていたなんて露ほども知らず、アタシは縁側の傍に立って深く息を吸い込んだ。