次の日、アタシが起きた時には既に土方の姿はなく、周りはシン…としていた。
え、もしかして寝坊した?
今何時なんだ?
若干混乱しながら布団と共に起き上がると何かが落ちる。
拾い上げるとそれは温く湿った手拭いだった。
きっと土方が“酷い顔”の為に用意してくれたのだろう。
そのおかげか、泣いて腫れぼった瞼がスッキリした感がある。
や、鏡見てないからわかんないけど。
…と、キシ、と縁側の板が軋む音が聞こえた。
次いで3つの足音がし、止まったと思うと障子戸が僅かに開いた。
「…何、平助」
「…っ、何で分かるんだ!?」
「足音が3つだったから」
「だけど何で俺!?」
「…勘?」
「くっそぉ…」
「だぁから言ったろぉ〜、愁は気付くって。
よ、愁」
平助の後ろから新八、そしてうるさい奴。