ワケがありまして、幕末にございます。






「土方、皆には…特に近藤さんには言わないで」




物凄く心配すると思うから、と続けると直ぐ様否定の言葉が返ってきた。




「それにもう遅いと思うぜ。
俺が言わなくても…」


「え゙」




遠くから徐々に近付いてくる足音。




「ホラ、な」


「……ねぇ、離れた方がいい気がするんだけ
「トシー!!
何やら愁くんの様子が…あれ?」


「局長、市村でしたら…あ」


「「………」」




あれ、おかしいな、この構図とセリフどっかで…




「トシ、」
「副長、」


「「ソッチだっ
「違ぇっつーの!!」




ゴン。




「「「あ。」」」


「大丈、夫…か?」




…落ち着け、落ち着くんだアタシ。

何故こうなったか整理しようじゃないかアタシ。



近藤さんが駆け込んで来た後、多分近くに居たのであろう斎藤さんもこの状況を見てしまった。


障子に背を向けていた土方は障子が開いてるのを忘れており、この状況を見られ黙る。


この状況=アタシを抱き抱えている土方なワケで。


上記のセリフを言われそうになり、動揺した土方は焦って勢いよく立ち、


そしてそれに対応出来なかったアタシは額を畳に強打した。



整理と考察するとこんなもんか…。