ワケがありまして、幕末にございます。





勿論右手には白梅を握っている。




「に、とうりゅう…?」




いつの間に平助と新八がいたがそんなことは気にしてられない。




今日この一夜であり得ない程の人を斬った。

現代じゃ最早死刑級だ。


そんだけ人を“人だったモノ”に変えておいて普通にしているアタシはおかしいが、対峙しているコイツはもっと危険な奴だ。



何故なら。


もうここにいた仲間は皆いない。

いるのは自分だけ。

そんな奴は、




「…!!」




―ヒュンッ キィィン!




死ぬ気で来るから。




「やってやるよ…!」




だからこっちも死ぬ気でやらないと、殺される。



袈裟切り、逆袈裟を一気にくりだせば、丁度十字のとこに刀を入れられ弾かれた。

瞬間に、喉に相手の突刺が一直線にやってくる。




「チィッ!」




――ヒュンッ ザシュ

…バシャアァァ!




「!!」




体をひねって回避し、やっとのことで斬り落とせば血が飛んできた。


目を開けば右腕の無い吉田が見えるハズ。


けど何でだ、…見えない。


またコンタクトが曇ったのか?



こんな時に…




「っっ痛!!」