ワケがありまして、幕末にございます。






音に向かって歩き始めると、鉢金を外そうとしている平助と不自然に閉まった襖が目に入った。



ヤバい!!




「平助ェェ!!」




床を蹴って精一杯刀を伸ばす。


そして閉まった襖、押し入れから出た刀を上に払った。



―ピッ




平助の眉間に敵の刀が走る。



アタシは高く上げた白梅を横に薙ぎ払い、押し入れに突き刺す。



念のため二度、三度と。




「平助!平助!!」


「…っ、っっ」




良かった、息してる。



手拭いを平助の頭に巻いていると



「愁、へいす…平助!?」




ドッ。



同じく敵の心臓に刀を貫いてこちらにやってくる新八。



きっと新八も手の指の付け根が削がれているだろう。




「ハァハァ、…クソッ!」




新八が平助の横に座り込んだ時。




――――ひた…



―――ひた…




「…いる」




――ひた



――キィィン!ギィィイン…




沖田さんの所か!!