ワケがありまして、幕末にございます。





古高が事の全貌…真実を吐くまで時間がかかる。



でもアタシや現代の人みたいに嘘はつかない。


アタシだったら嘘八百をつらつらと述べ、そこに少し本当の事を混ぜこんだりして混乱させるのに。


…と思う反面、いくら忠誠を誓ったりしても口を開いてしまうのだな、とも思う。



生かさず死なさずの拷問。

自分で死ぬことさえ出来ないその辛さの中、もしアタシだったら話してしまうのだろうか。



…いや、きっとどうにかして別の道を探す。


例えばさっきの様な嘘をついたり。

あるいは…自害する(すべ)を必死に探すだろう。


口を割るなら死んだ方がマシ、と。




「市村!」




色々考えながら歩いていると後ろから声がかかり、振り返る。




「どうかしましたか、武田組長」


「なに、君が前を歩いていたから話し掛けずにはいられなくて」




古高を捕縛してからというもの、やけに関わって来るようになったこの男。




「君のあの姿を見て、僕はこう…痺れるようにキーンときたんだよ!」




キーンてなに。




しかも痺れるように、ならジーンじゃないの?


っていうかキーンもジーンもしてほしくないけど。