ワケがありまして、幕末にございます。






「―…あのさ、何で女装してたの?
意味あった?」




やけに綺麗で似合いすぎていたのは置いといて、本当に何故。




「入る時に不審に思われへんようにや」


「むしろ俺は不信に思うけどな」




不審より不信。

マジに不信。

丞に女装癖があったなんて…。




「それよか…、お前何かあったとちゃうん?」


「へ?何かって?」


「刀持っとる時とだいぶ違ぅ感じんやけど」




…ホント監察方って鋭くてヤダわ。

あり得ないくらい鋭いよ、この人。




「…丞の気のせいだと思う」


「(嘘や、絶対嘘や)」


「あーもう!
自分でも分かんないし。
口調荒くなってるだけだよ」


「…さよか」


「さよです」




鋭く探る目から逃げる様に浅葱色の羽織を畳んで横に置く。



暫くすると諦めたのか、着替えてくるわ、と去って行った。