ワケがありまして、幕末にございます。





「愁くんやりますね〜」


「さ、京の為の俺達だ。
総司、山南さん、行くぞ」


「は〜い」




山南さんが部屋を出る時に言った。




「ありがとう、」




と、アタシにしか聞こえない声で。


振り向くと既に前を歩いてしまっていたから、その背に笑って答えた。




「…で、お前この手は何だよ」


「え、お手…」




…しくった、この時代にまだ“お手”ないよね!?




「お、…お手をどうぞ…」




苦し紛れにこう言うしかない。




「…あ?」


「や、うん、なんでもない。
起こすの手伝おうと思って」


「てめぇが蹴ってきたんだろうが」


「あははー、まぁ怒るなよ」


「チッ。

つーか話聞いてやがったな?」


「うん、バッチリ」


「全くよ…」




どーせ聞かなくても分かってましたけどね。