ワケがありまして、幕末にございます。





あ、動く。

いや、動いた。




「くそッ!!」


「トシ、ちょっと落ち着け」


「これが落ち着いてられるか!」


「土方くん、」


「〜〜〜〜チッ!

すまねぇ、近藤さん、山南さん」




土方が荒れているのには訳がある。

…や、訳がなきゃ普通荒れないんだけども。




6月1日になりたて、丑三つ時。


1人の不審な男を捕らえ拷問に掛けたところ、その男は吐露した。




『大風の日、京都市中に火を放ち、混乱に乗じて中川宮親王と松平容保を討ち取る』




中川宮親王と松平容保は公武合体派の中心人物だ。



尊皇攘夷派の連中は、この2人を討ち取りたくて討ち取りたくて仕方がないだろう。