ワケがありまして、幕末にございます。







「あの…」




此処どこですか、と聞こうと口を開く。

だがそれも青年が喋り始めたことで無駄に終わった。




「あっ!!
倒してくれてありがとうございました〜。

お強いですね?
私と一本手合わせどうですか?」


「…は?」


「止めとけ総司」


「え〜イヤですっ。
土方さんはこの人のこなしを見てなかったから!」


「じゃあ此処でやるのは止めろ。」


「じゃあ何処でやれっていうんですかっ。
やるとこなんて思いつかな…あっ!!」


「っせぇな何だよ!」


「彼を入隊させましょう!」


「「は?」」




思わずなんだかゴツい方の男と声が被る。




「ちょうど隊士募集してますし、そうすればいつでも道場で手合わせできますし!」




一石二鳥ですね、とニコッと笑うその顔は、女に負けないぐらい、周りに花を咲かす。



「ね?
いーでしょ、土方さん?」


「…はぁー。
まぁ断る理由もねぇしな。

いいだろう」




断れこのバカやろー!!


とは思っていても口にだせない。




「さっすが土方さん!

じゃあ早速行きましょう!」