ワケがありまして、幕末にございます。








「ほなな、茶ぁおおきに。
茶菓子の件は…」


「山崎さんも食ったんですから共犯ですよ。」




にこーと笑って言うと




「…茶菓子、おおきに」




( ̄ _  ̄)



無表情の奥にそんなぬーんとした顔が見えた(笑)




「愁」




わぉ、びっくりした、いきなり名前で呼ばれるなんて。




「お前はお前でいたらえぇ。
やりたい様にやり」




やりたい様に…か。



なら。




「ありがとう、丞!」




と言うと歩き始めていた彼の足が止まった。



…呼び捨て、まずかったか?


でもやりたい様にやれって言われたしな…。




「せめて丞くん言い」


「え、気持ち悪い」


「(素はコレかい)」




諦めた様に再び歩いていった彼を見送り、フッと息を吐く。



心がジーンとする。



源さんと、丞の言葉で。



この時代の人は暖かい。




曇り空の間の青色を見ながら頬を緩めた。