ワケがありまして、幕末にございます。







で、って何。

何を言えと?




「だからさっきんのや」


「……」


「何も言い返さんのか。
俺が言えへんけど、お前気色悪ぉあらへんし」




…俺が言えへんけど、って1回思った事あるんか。


まぁ、




「本当…の事ですから」




この外見だし、実際何もやってはいない。


源さんの言った事を否定するんじゃないけど、何もやっていないんだ。




「お茶、飲みますか?」




話を逸らす様にそう尋ねる。




「潜入調査だったんでしょう。
顔、疲れてますよ」




逸らす様に言ってはいるものの、これは本当の事。


ほぼ無表情の山崎さんだけど、どこかやつれた様な。




「…おおきに」


「しょうがないから秘密の茶菓子も出してあげましょう」


「何や秘密の、って」


「土方の所からくすねてきた物です」


「…副長に言ってやろか」


「うわ薄情者!!」