ワケがありまして、幕末にございます。







二口目は大きく口を開けて全部食べて。



話がなかなか進まなくてもどかしいが、促す事はしない。




「近藤さんは隊士1人1人の事をよく見てるから分かるんだろうねぇ。
土方さんも珍しく何も言わなくてね。
けどまぁ大丈夫、ちゃんと想われているよ」




ホワン、とシワを更に深くして源さんは笑った。




「急ぐ事はない。
愁のその気持ちだけで皆は嬉しいんだよ」




勿論私もだ、と。



そうか、急ぐ事は何もない。


急いだら見えるものも見えなくなってしまうだろう。




「さて、私はそろそろ行こうかね」


「…源さん、近藤さんと土方が話してた事は何?」




アタシが今の話で1番気になったとこはソコだ。


つかソコしかない。