ワケがありまして、幕末にございます。








数分して1本の刀をアタシに差し出した。




「てめぇは腕細ぇからな、コレで良いぐらいだろ」




ほんのちょっと軽いかな、と思ったけど疲労したら重く感じるものだし、丁度いいのかもしれない。

(つか)も手に馴染むようだ。




「うん、コレで」




料金を払って早速腰に差す。



金はてめぇのとこから引く、と言われたけど無視。




軽いハズなのにどことなく重い。


きっと人を斬る重みだ。



白梅、またアタシと堕ちよう一緒に。



白梅、とは言ってるけどそれはアタシが勝手に付けた名であって、本当の刀の名ではない。


実際普通の刀だし。



まぁ由来は後々。




「土方ぁ、甘味屋寄って〜」


「ふざけんな」


「本気だし」


「そういう意味じゃねぇよ」




帰路に2人の影が映る。



太陽がゆらゆら。



まるでアタシを嘲笑(あざわら)っている様だった。