先生のいない学校は、てきとうなパーツを寄せ集めただけの世界に思えた。
だからといって、華乃みたいに、
「新しい恋でもみつけるか」
なんて言葉を簡単に口にしたくはないし。
先生を好きになってみつけた、優しくて、やわらかで、キラキラと眩しい色は消さないようにしようと思う。
いつか、この黒縁メガネを外すときがきて。
オレンジジュースを、他の飲み物に変えるときがきて。
戸惑うかもしれないけれど、でも。
きっと、変化していく自分を受け入れられる。
進んでいける。
「好き」という言葉は伝えられなかったけど。
先生でよかった。
はじめて好きになった人が、先生でよかった。
そう思います。
【END】



