靴紐を結び直して華乃の姿を探すと、両手と両膝を地面につけたまま動かない華乃を見つけた。
「なにしてんの、」
はしゃぎすぎだよ。
どうせ、いつものようにぴょんぴょん跳ねて、足がもつれたかなにかで転んだんでしょ。
でも、華乃は地面を見つめたまま、
「………やられた」
そう言った。
「……え?」
やられた、ってなにを。
「足、引っかけられた」
………え。
「嘘でしょ、」
「嘘じゃないよ」
まさか、そんなこと。
………あ。
もしかして。
あの耳障りな笑い声。
わたしの横を通り過ぎていった女子生徒たち。
「顔、見た?わたしがひとこと言ってくる」
「大丈夫」
「でも、」
「あいつら、今日が初めてだから。だけど、次
やったら許さない」
「………、」
華乃のことをよく思っていない人間がいることは、なんとなく知っていた。
男好きだとか、そういう類のこと。
だからって、こんなのおかしい。
「とりあえず、立てる?」
華乃の腕を掴み、立ち上がるのを手伝った。
華乃の両膝は擦りむけて、うっすらと血が滲んでいた。



