「ショウくんと付き合うことになったよ」
華乃からそう聞かされたのは、レモンティーをおごってもらった日から1ヶ月も経たない、ある晴れた日の昼休み。
ショウくんというのは、華乃の元カレの友達だそうで。
元カレのグチを聞いてもらううちに、何故か、
「きゅんとしちゃった」
らしい。
わたしが、
「ふぅん。よかったね」
冷めた言い方をしたって、華乃は、
「うふふふふふ」
とご機嫌だ。
いつまで続くことやら。
そんなことは口が裂けても言えないから、
「浮かれすぎて赤点取らないようにね」
とだけ言っておく。
「うんっ。今回はね、ショウくんが居てくれるから、頑張れそうな気がする。
あ。いらないなら、ちょうだい」
わたしの飲みかけのりんごジュースを指さした華乃は、わたしの返事を待たずにストローに口をつけた。



